箪笥錠 海老錠 キー紛失 新規作成

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箪笥錠 海老錠 キー紛失 新規作成です。
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今回ご依頼いただいたのは他県で木工修理をやっている業者様からとなります。
キーが無く地元で鉄工所や鍵屋さんなどに聞いたが断られてしまい困っていたそうです。
とりあえず確認させて頂くために、現物をお送り頂き確認することに。
詳しい年代はわかりませんが、形状や造りからすると江戸時代あたりじゃないかと
思えます。というのは、作りが鉄製で出来ていて繋ぐ部分は全て叩いてカシメてあります。
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後年になると銅が使われだし、その後真鍮となっていくのがこの手の代物です。
数年前に中目黒のカトウロックさんにお邪魔したことがあります。
カトウロックさんのカギの神様(わたしはそう思っています)と崇める会長さんが
御店に展示している錠前のコレクションの中に今回と似た構造がありました。
海老錠というのですが、中国から伝わった錠前で日本の鍛冶師の盛んな地域で
改良がなされ見た目が豪華な飾り(からくりになっていたりします)が施され
蔵や箪笥などに採用されていました。
話がそれましたが、鉄製なので鍵も鉄なのですが正直同じものを造るのは金額的にも
材料探し的にも無理なので何とかできるすべを検討しました。
サイズから代用できるものを探し、何とか鍵メーカーに数本在庫していたキーを取り寄せ
加工して使えるものを作成しました。
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簡単に書いていますが正直凄く大変な案件だったことはお伝えしておきます。
何せ作成が大きい錠前1個と小さい錠前1個をそれぞれ2本キー作成となるわけですから
苦労の連続です。
錠前の内側の構造は三又の矛のようになっていて
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鍵を差し込んで廻すと三又が1つに合わさり更に廻すと三又がカンヌキとなっているので
押し上げられて開錠される仕組みとなっております。
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一番最初の写真を観て頂くと、菊の花のような飾りがありますがコレがカンヌキと連動
していて、鍵を抜いた後に押し下げると三又が下がり施錠される構造となっています。
ミクロン単位で削って合わせ、可動を確認しの繰り返しで無事作成できました。
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後にも先にも2度目は無い仕事かと思いますが(ブログで記載すると忘れた頃に依頼あるんですが・・・)
昔の飾り師や鍛冶師の腕は相当なものだったんだなぁ~と勉強させられる仕事でした。
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